令和8年2月28日
お客様、ありがとうございます。
岡山に福︀屋という店がある。「相談に乗ってください」という。「正札販売ならもう決まっているじゃないか。やるかやらないかだ。やるよりほかないじゃ無いか。まだそんなこと言っているからダメなんだ。正札販売は正しいことなんだ。」
「正しいことだと言っても正札販売をすると、売上が落ちます。今まで掛売してたお客さんに貸さなければ、よそで買います。一割引して負けていた人に負けられないというと、買い物に来てくれません。お宅だけが店じゃないよと、お客が皆離れて行ってしまい、売上が減るように思います」
「減らないよ。すっきりした商売ができる。これが商売の根本であるならば、たとえ売上が減ってもやるべきだよ、君。俺が言った歌を覚えているかい『正しきに依りて滅ぶ店あらば、滅びても良し断じて滅びず』。今時、正札販売ができないで、君は男か、豆腐の角にキ●●●ぶつけて死んじゃえ」。そう怒鳴りつけて別れた。一週間ほどして、電報が来ました。
『ショウフダハンバイセイコウホンジツノウリアゲ七十マンエンアリガトウゴザイマシタ』。商業界セミナーでの話をして、明日開店から、現金正札販売掛売無しの覚悟を親父が話してくれました。六十四年前のことです。
本日のご来店心よりお待ちいたしております。
合掌
令和八年二月二十八日


