令和7年6月7日

お客様、ありがとうございます。

粉雪がちらつく寒い夕方。仏壇の上の二〇〇円で、小学三年の長男が買い食いしたと言うのです。

「敏夫ッ、こい!」「いいか、お前のやったことがどんなに悪いことか、お父さん教えてやるからな!いいか、お前に今から水を五杯かぶせる!」零度近い寒さですから家内がびっくりして「お父さんそんなことしたら敏夫が死んでしまいます」泣いて止めるんです。ムリヤリに敏夫の服を脱がしてパンツ一枚にしました。「しかしなあ、お前が悪いだけじゃない。お前を育てたお父さんにも責任がある。だから、お父さんが今から水を五杯かぶる」とパンツ一枚になり、子供を抱いて外に出ました。池の氷を割って、バケツで水を五杯かぶりましたが、まるで心臓が止まるような冷たさです。その冷たい水のしぶきが目の前の子供に跳ね返ります。そのとばっちりを避けようともせず、ブルブル震えて立っている息子を見た時、この時ほど〝この息子は、私の血を分けた大事な息子だぞ〟と、実感をもって胸に迫っ

たことはありませんでした。心を鬼にして、バケツ半分の水を五杯かぶせると、息子を横抱きして風呂場に駆け込みました。                 東井義雄の話 

お父さんだからできる真実の愛ですね。

十五日は父の日。

本日のご来店心よりお待ちいたしております。

                                  合掌

令和七年六月七日

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