令和7年10月25日
お客様、ありがとうございます。
「あの席はこころの座席」 今治市 青木倫子
朝、時々利用するそのバスは、盲導犬を連れた女性が乗ってくる。久しぶりにそのバスに乗った私は、乗車口に一番近い席に座ろうとして、ふと彼女を思い出しドアの後ろの席に座り直した。
次のバス停では、若い娘さんが乗り込んできた。
時折見かける彼女は小児麻痺の後遺症で歩くたびに身体が左右に揺れる。彼女は私が座ろうとした乗車口の席に一度座ったが、不自由な身体で私の座席の横に移ってきた。「よく気がつくのね」と、小さな声で言うと、彼女は微笑み返してきた。
ところが、次に乗り込んできた中年男性が、その座席にどかりと座り込んだ。二人の失望のうちに、盲導犬の女性が乗ってくるバス停が近づいた。その時男性は、急にキョロキョロと辺りを見回し、彼もその席を空けたのである。次のバス停で、盲導犬に続いて目の不自由な女性が乗り込んできた。彼女は背もたれにちょっと手をやり、誰も座ってないのを確かめるとその席に腰をかけた。
彼女は勿論その席が3人の小さな善意で空けられたことを知らない。
(涙が出るほどいい話)
私も、知らない所で善意の中生かされてるのだ。
本日のご来店心よりお待ちいたしております。
合掌
令和七年十月二十五日


