令和6年6月1日
お客様、ありがとうございます。
手には五本の指がある。その五本の指の内どの指が中心であるか。姿のよい中指のように思える。しかし、中指に手の働きの自由自在が任されているだろうか。親指の姿は醜い、丈も低い、節も一つ足りない。一番端の方に居て、お邪魔になっているような姿である。
生まれて以来、まだ一度も指輪をはめてもらったことはない。親指は誠に粗末に扱われている。それでも親指を除外することは出来ない。
ペンを持つにも、お茶を飲むにも、何をするにも四本指が親指と組み合わされた時に初めて手の役割を果たすことが出来る。
五本の中で絶対に除けられないのは親指だけである。中心を失ってはならない。親を除け者にしてはならない。子供のわがままで、親を粗末にして眼中に置かない。親を除けることは出来るだろう。
だがその時に、自然の守りを失うことになる。天の支えを失うことになる。
親指と四本の指とは、指の腹を合わすことが出来る。四本の指はお互い同士ではどうしても、腹を合わせることが出来ない。ここにも天の啓示がある。
修養団体中心社 創業者 常岡一郎
本日のご来店心よりお待ちいたしております。
合掌
令和六年六月一日