令和6年2月24日
お客様、ありがとうございます。
三年前に主人が入院し、子供三人を抱えた私は、家業の鉄工所を続けるために必死で働きました。
ある雨の日。得意先にできあがった製品を届ける途中、それを落としてしまい、交差点のど真ん中で、品物は箱が破れて四方に飛び散ったのです。雨に濡れ自動車にひかれそうになりながら、拾い集めている私のまわりに、いつの間にか人が集まってきて、一緒に拾い始めてくださいました。
近所の女子高の生徒数名とお年寄り夫婦、それに赤く髪を染めた男の子たち。
一進一退を続ける夫を気にしながらも働き続けていた私は、心身ともに疲れ果てていました。
ところが、その日に私を助けてくださった方々はまるで神の使者のように私を元気づけてくださいました。何も言わず黙々と拾い集めてくださっている後ろ姿を見ながら、涙と雨で周囲がかすんでいったのを覚えています。
それ以後、私は皆様にお返しをする思いで、日々の小さな出来事にも関心を寄せ、役立つことがあれば進んで行うようにしています。ほんの小さな親切でも、人の生き方を変えることだってあるのです。(大阪市加藤洋子)「涙が出るほどいい話」から
本日のご来店心よりお待ち致しております。
合掌
令和六年二月二十四日