令和5年9月23日

お客様、ありがとうございます。

「彼岸」と「河の向こう岸」。その反対側の迷いや煩悩に満ちた、私たちがいる世界を「此岸」。

 彼岸(あの世)は西に、此岸(この世)は東にあるとされ、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも近づく日。こちらの岸にいる私たちが、向こう岸にいる先祖を偲ぶにはぴったりの日というわけ。春分の日の趣旨は「自然をたたえ生物を慈しむ」こと、秋分の日は「祖先を敬い亡くなった人々を偲ぶ」こと。

 日本人は、自然と一体になって生きてきた農耕民族としての歴史があり、自然に対する感謝や祈りが先祖への感謝の気持ちにもつながり、大切な行事となっていったのです。

 仏教では、お彼岸の中日をはさんで前後三日間は、一日に一つずつ、計六つの修行を行う期間とされています。六つの修行とは、 ○布施(人に施しをする)○自戒(自分を戒める)○忍耐(不平不満に耐える)○精進(努力する)○禅定(心を安定させる)○智慧(真実を見る智慧をつける)

 六つの修行を行うことで、悟りの世界である彼岸に至る。六つの修行のうちの一つでも心がけて日本人の心を子や孫に伝えてゆきたいものです。

本日のご来店心よりお待ち致しております。

                  合掌

 令和五年九月二三日

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