令和5年4月15日

 

お客様、ありがとうございます。

「ムツゴロウ」こと畑正憲さん、八十七歳で死去。

クマやサル、オオカミなど凶暴性のある動物たちをも、いとも簡単に手なづけられます。

「動物たちも人間と同じ生き物ですからね。なぜ暴れるか?なぜ攻撃するのか?それは、自分が周りに受け入れてもらえないと感じ疎外感を抱えているからなんです。だから僕はね『ようし、よし。大丈夫だ。本当はお前、いい子なんだよ』って触りながら、心を開く姿勢を見せる。最初は攻撃してきます。

それを大きな気持ちで受け止めるんです。ここで動揺してはならない、噛まれたり引っかかれたりして痛みがあったとしてもぐっと堪える。『自分が傷つけたはずなのに、それでも僕を信じてくれる』。その思いが伝わって、やっと信頼関係が生まれるんです」。

撮影中、ライオンに噛まれて指の先を失ったこともある。それでも「あの指はあの子にあげたんです」と。「生き物本来の優しさを取り戻せるならくれてやりますよ。ほら、まだ何本か残っている」。どんな生き物の心も鷲掴みにする奇才はそう言って破顔した。動物たちと親密になれることと優しさを教えてくれた人だった。
宮崎日日新聞

本日のご来店心よりお待ち致しております。

前の記事

令和5年4月8日

次の記事

令和5年4月22日