令和5年10月7日

お客様、ありがとうございます。

右手で幼い孫の手を引き、左手に大荷物を抱えて駅へ向かっていたら、突然の雨。困っていると、誰かが傘を差し掛け荷物を持ってくださった。

「ありがとうございます」と見上げた顔に見覚えがあった。彼も「あっ」と声を上げた。昨年のこと、駅で財布をなくして困っていた青年に切符を買ってあげた、その彼だったのだ。「あれ以来です、ボクがこんなお節介をするようになったのは…」。

 私が小さな親切をしたのにもきっかけがあった。五年前、足首を捻挫した私は杖にすがってバスに乗り、病院前で降りるとき小銭を料金箱に入れ損なった。百円玉が転がって見えなくなった。運転士さんは「いいですよ。後で探しますから」と仰ってくださり、乗客の皆さんは座席の下を見てくださり、近くのお二人が私を支えておろしてくださった。その時の嬉しさが忘れられなかったのだ。ささやかな思いやりが巡って、いま青年を通して戻ってきた。心がホカホカと温かくなった。駅につく頃雨はやんだ。

 宮崎市竹内博子 当時六三歳 小さな親切運動本部「涙が出るほどいい話」より

ちょっとした優しさや思いやりを、お互いに。

本日のご来店心よりお待ち致しております。

                  合掌

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