令和2年11月22日
お客様、ありがとうございます。
東北の牧師さんが私財を投じて、親のいない知的障害の子供たちをあずかり、教育をしておられます。
ある時、五百円、百円、五十円、十円、五円、一円の六種類のお金を値打ちのある順に並べるというお金の価値判断テストをされました。
十五歳になったヨウコちゃんもこの試験を受けました。彼女はためらわずに十円玉を取りました。先生方はがっかりされました。再度、試されたのですが、やはりまた、十円玉を取ったのです。十円玉をとって嬉しそうな顔で「先生これだ」といって出したときに、ヨウコちゃんの毎日の行動を思い出しておられた若い先生がハッと気が付かれたのです。
ヨウコちゃんは、お母さんがいなくて、お父さんは病気で寝ておられます。彼女は一日の勉強が終わるとお父さんに電話します。すると「お父さんの病状は大丈夫だから心配しなくていいよ」と、それからしばらくお話をしています。そこで気が付かれたのです。寄宿舎の赤電話は十円玉しか使えません。ヨウコちゃんにとっては、お父さんの声が聞かれる赤電話の十円玉が一番値打ちのあるお金だったのです。彼女はお金の本当の値打ちを知っていました。
南蔵院林覚乗師
本日のご来店心よりお待ち致しております。