令和6年7月27日

お客様、ありがとうございます。

1996年のオールスターゲーム。

前年本塁打王で「パ・リーグ一番」と天狗になってしまい、今年は全然打てない、焦るばかり。

一方イチローは3年連続の首位打者へ驀進中。そのイチローと二人で外野をランニングしながら、彼に「モチベーションって下がらないの?」と尋ねました。「小久保さんは数字を残すためだけに野球をやっているんですか?」「まぁ残さないとレギュラーを奪われるし……」すると、イチローは私の目を見つめながらこう言ったのです。「僕は心の中に磨き上げたい〝石〟がある。それを野球を通じて輝かせたい」衝撃でした。

それまでは成績を残す、有名になることばかりを考えていた私。この日を境に、野球の練習だけではダメ、人間力をもっと高めなければと思い、空いている時間は読書をすると決め毎日実践しました。野球を通して人間力を鍛えるというスイッチが入ったのは、彼の言葉があったからこそ。

後年、「あの時のあの言葉のおかげで俺の野球人生がある」と感謝の言葉を、イチローさんに何度言ったかわかりません。           元WBC監督 小久保裕紀

 甲子園野球でも、勝てるのは人間力。読書一番。

 本日のご来店心よりお待ちいたしております。

                                   合掌

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