令和1年11月10日

「ばあやのお話」            金子みすゞ

 ばあやはあれきり話さない、

 あのおはなしは、好きだのに。

 「もうきいたよ」といったとき、

 ずいぶんさびしい顔してた。

 ばあやのには、草山の、

 のはながってた。

 あのおはなしがなつかしい、

 もしも話してくれるなら、

 五度も、十度も、おとなしく、

 だまって聞いてみようもの。

 久しぶりに、金子みすゞの詩集をてみました。そしてふっと寂しくなりました。四、五年前までは、みすゞさんの詩をせると、必ずお便りをくださる方がおられました。近頃どうしてらっしゃるかなあと。

 もっと、ご返事を書きたかったのに。延岡の文子さん、おげんきですか。

 本日のご来店心よりお待ち致しております。

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